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2004.10.20

インド音楽・秋風の響き

「インド音楽 秋風の響き」と題したコンサートが、
財団法人早稲田奉仕園のスコットホールで、
台風23号の来襲する最中に開催されました。

flysheet.jpg

早稲田奉仕園の主催している100円コンサートでは、
今年の5月19日にも同じメンバーでの公演を
やらせていただきましたが、今回はその第2弾です。

コンサートでは、3人のシタール奏者、
小日向俊英氏、沼沢ゆかり氏、影山智氏と共に、
北インド古典音楽を演奏しました。

image_kageyama-solo.jpg

影山智氏によるシタール演奏
 ラーガ・バイラヴァ(ティーン・タール=16拍子)

image_yukari-solo.jpg

沼沢ゆかり氏によるシタール演奏
 ラーガ・メーグ(マッタ・タール=9拍子)

このラーガは、雨期の曲として有名なものですが、
台風のような激しい情感(=ラサ)を表現するそうです。
ちょうど台風が来襲したことが、不思議でしたが・・・

マッタ・タール(Matta Tal)というのは、
あまり演奏されることのない珍しいリズムですが、
基本リズムは、9拍を2+2+2+1.5+1.5に分割しています。
インドのリズムは、このように拍を分割して考えますが、
変拍子では、1.5拍を利用するものがいくつかあります。
このようなリズムの仕組みを理解しておかないと、
マッタくできなくて、こマッタことになってしマッタ!
なんてことになってしまいます。

image_kenji-solo.jpg

タブラ独奏では、カイダと自作のコンポジションを
ティン・タ−ルのドルット(早いテンポ)で演奏。

image_kobinata-solo.jpg

小日向俊英氏によるシタール演奏
 ラ−ガ・ドウルガー(ティン・タ−ル=16拍子)

ドウルガーは「近づきがたい女性」という意味を持つ
悪に対して戦闘的な性格のインドの女神の名前です。
ドウルガー・プ−ジャ(ドウルガー女神の供養祭)は、
毎年、インド暦のアシュヴィン月(9〜10月)の
1日から10日にかけて行われていますが、
9日間で、ドウルガー女神の持つ9つの属性を
毎日ひとつづつ讃えてゆくという供養により、
ドウルガー女神から生命力(=シャクティ)を授かる
というインドの3大祭のひとつです。

・・・というような女神の名を冠したラーガなので、
力強くてパワフルなイメージがあります。

image_together.jpg

コンサートの最後には、全員で合奏をしました。
 ラーガ・ヤマン(ティン・タ−ル=16拍子)

ラーガ・ヤマンは、
陽が落ちてからの時間帯に演奏される曲です。
ラーガは、それぞれの時間に特有のムードを
表現してゆくというものでもあるので、
それぞれのラーガに、演奏する時間が決められていて、
自然と音楽の関係にまで配慮しています。
初心者がはじめに勉強するラーガとしても、
とてもポピュラーなものですが、
その奥深いことについては、巨匠といわれる音楽家も、
難しいラーガのひとつであるといっています。

シタール3人の合奏というのは、実はとても珍しく、
それだけに、新たなる可能性もあるように想います。
打ち合わせておいた同じフレーズをハモったりして、
とてもおもしろい効果をだしていました。
(基本的にインド音楽にはコードの概念がありません)

演奏中には、台風による大雨が時々激しくなって、
スコット・ホールの屋根を打ち鳴らしていましたが、
大自然との共演でもあるかのように感じる響きでした。

鍛冶先生には、舞台をつくる準備とかたずけの時に
熱心に協力していただき大変お世話になりました。

写真は、宮城康夫さんに撮ってもらいました。感謝!
彼はガムラン音楽のグループで活動していますが、
(先日の熊野古道世界遺産登録記念イベントに出演)
研究熱心な性格で、タブラの勉強も続けています。

image_scott-hall.jpg

会場のスコットホール(Scott-Hall)は、
早稲田奉仕園の事業に関心をいだいた
J.E.スコット夫人の寄贈により、
1921(大正10年)に建造されたもので、
東京都より「歴史的建造物の景観意匠保存」
の指定を受けているというものです。

台風で大雨の悪天候であるにもかかわらず、
コンサートに集っていただいたみなさまには、
まことに感謝の気持ちで一杯です。

合掌
kenjee

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